2018年5月23日 Posted by 編集部
フリーランスの生活を直接左右するのは、何といってもクライアントの存在です。クライアントがいないと仕事を請けられないので、いくら技術があったところで稼げません。大勢のクライアントと一度きりの付き合いをするよりは、長く付き合っていけるクライアントを一人でも多く増やすことが理想的。クライアントと一度きりの付き合いにならない、長く付き合っていくための秘訣について見ていきましょう。
今はとりあえず仕事があるからクライアントとの付き合いは特に重要視しなくても…という考えは危険です。長く付き合えるクライアントの存在は、組織に属さず収入が不安定なフリーランスにとってとても大切。今は仕事が十分にあったとしても、大切なクライアントとの関係はしっかり保っておく努力が必要です。
特定のクライアントとある程度の期間仕事のやり取りが続くと、お互いに信頼関係が生まれていきます。信頼されていれば自分に回して貰える仕事が増えますし、何か良い仕事はないかとこちらから訊ねることもできます。クライアントが新たなビジネスを試みているときは、その一端となる新たな仕事を優先的に任せて貰えることも。
また、納期に影響するような個人的な事情も、信頼関係のあるクライアントであれば正直に伝えて配慮してもらうことだってできるかもしれません。お互いに融通を利かせ合い、どちらにとっても仕事をする上で欠かせない存在となれる可能性を秘めているのです。
何より、付き合いが長くなることでクライアントと仲良くなれるのは嬉しいことです。仕事上のやり取りの中でお互いの気遣いが見られる場面も出てきますし、直接顔を合わせたことはないのに、お中元などの差し入れをいただけるようなケースも。お互いの存在を大切にできるクライアントとなら、円滑なコミュニケーションで仕事がスムーズに進みます。
クライアントと長く付き合っていきたいなら、レスポンスの良さは欠かせないポイント。受け取ったメッセージには遅くても1日以内に返事をするようにしましょう。今すぐに対応できない場合でも、「今は時間がないので後で対応します」という旨をすぐに伝えておくだけで、クライアントからの信頼はアップしますよ。
普段の連絡はメールやチャットなどがメインとなることが多いので、送ったメッセージに対してすぐに何らかのレスポンスがあるというのはクライアントにとって大きな安心につながります。複数人と取引がある場合、安心して連絡が取れる人に優先的に仕事をしてもらいたいと思うのは当然のことですから、「すぐに何らかの反応を送る」ということは意識しておきたいところです。
また、依頼された仕事は納期ギリギリではなくできるだけ早めに納品することも大切です。もちろん早さを重視して品質が悪くなってしまうのは論外ですが、品質が保たれていれば早いに越したことはありません。余裕を持って納品しておけば、修正箇所に対応したりクライアントの意見を反映させたりといったこともじっくり行えます。
納期ギリギリまで確認して完璧を追い求めるのも悪くありませんが、どうしたって自分一人の視点からでは気づけない部分もあります。自分なりの確認を終えたのであれば、余裕のある内に納品してしまってクライアントの意見がないか聞いてみましょう。
仕事の出来栄えはもちろん重要ですが、実は日頃の言葉遣いも意外と注目されているポイント。フリーランスとして仕事をしている人なら、メールやチャットなどを利用して文字だけでやり取りする場面も多くあるでしょう。こうしたやり取りの中では、相手の顔つきや声色、仕草が一切分かりません。だからこそ文面からその人の態度を推し量るしかないのです。
もしもメールやチャットの言葉遣いが適切でないと、いくら良い仕事をしてもクライアントからのイメージは下がります。「あの人に連絡するのは苦手」と思われたらおしまい。たとえ良い仕事ができたとしても、言葉遣いが原因でクライアントから苦手意識を持たれてしまっては、その後の関係に影響が出ることだってあり得ます。
まずは正しい敬語の使い方とメールの書き方をしっかり押さえておきましょう。正しく敬語を使える人はメールだけで「デキる人」のイメージがつきやすく、それだけで得をします。フリーランスになるとメールを書く機会はとても多くなりますから、ビジネス書などで一般的なメールの書き方や定型文、よく使われる文句を覚えておくと安心ですよ。
また、堅苦しくなりすぎるのも考え物。初っ端から絵文字や顔文字はやり過ぎですが、「!」や「…」などの記号を使うだけで文面に表情が出てきます。「お待ち申し上げております」を「心待ちにしております」に変えるなど…些細な言葉の変化でも、文面から受け取れるイメージは変わっていくものです。丁寧さはもちろん必要ですが、人としての温度が感じられる柔らかい言葉遣いを意識してみましょう。
手を抜くことが0点なら、必要な分しかやらないのは80点、100点満点なのは「全力を尽くして+αの部分まで頑張ること」です。いつも全力の姿勢で仕事に取り組める人は、クライアントからのイメージもアップします。ほんの少しでも手を抜けば、それは成果物の品質に表れてクライアントにも伝わってしまうものです。
足りない分を補うよりは、無駄な部分を削ることを目標にして仕事に取り組んでみましょう。全力で出せる力をすべて出し切った後に無駄を削っていけば、成果物も洗練されたものに仕上がりますよ。これに対して足りない部分を補いながら取り組んだ仕事は、どちらかと言えば継ぎはぎのような不格好なイメージになってしまいます。
クライアントの期待に全力で応えるためには、仕事の内容について質問や提案をすることも大切。クライアントの意向を汲んだからこそ思うことがあるのなら、尻込みせずに発言してみてください。真正面から仕事に向き合っていることが伝わりますし、真摯なイメージが信頼に繋がっていくはずです。
長く付き合っていけるクライアントがいれば、安定的に仕事を任せてもらえます。フリーランスとしての実績を積むことができますし、案件を探す手間も省けて理想的ですよね。クライアントと継続して付き合っていくなら、良い印象を強く残せるかどうかが分かれ道。何かがあったときに「あの人に頼ろう」と思われる存在になれるよう、対応力や仕事への向き合い方をしっかりアピールしていきましょう。