2018年10月24日 Posted by 編集部
皆さんは老後資金に関して、対策はしていますか?特に対策していない場合、多くの場合には国民年金に頼ることになります。しかし、フリーランスとして活動していく場合は年金の面でも不利になる場合があります。
年金について、少しでも老後の不安を取り除くために理解してみてはいかがでしょうか。
対策はするにこしたことはありません。単純に国民年金のみの場合、毎月きちんと納めて満額受給ができた場合でも、年間約78万円、月額にして約6万5千円ほどの額にしかなりません。
しかもこれは理論値上の数字であり、厚生労働省が公開している「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の給付実績は平均月額で約5万5千円となっているため、実際に受け取る金額は理論値よりも少ない可能性があります。
仮に夫婦ともに国民年金のみの場合は、世帯での最大受給額は約13万円となります。しかし、総務省統計局の「家計調査報告」によると高齢かつ無職世帯での1ヶ月の支出は約26万7,000円といわれているため、国民年金だけではゆとりある老後が過ごせる金額とは言えません。
一方で、サラリーマンが受給する厚生年金との違いはあるのでしょうか。仕組みと合わせてみていきましょう。
まず、厚生年金の大まかな仕組みについてご説明します。
厚生年金は国民年金に上乗せするものです。報酬比例額の厚生年金保険料を支払うことで、その額に応じた追加年金が受け取れる仕組みになっています。
実際の受給額は加入年数等により当然変動しますが、「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」では厚生年金は平均14万7千円の給付実績があるとされています。
平均受給額にして2.5倍以上の差が出るため、一般的には厚生年金が圧倒的に有利だと言われているのです。
このようにサラリーマンの場合には、厚生年金を国民保健に上乗せすることができるため、老後の年金の給付金額が、フリーランスよりも高く給付されます。
では、フリーランスとして他に準備できるものはないのでしょうか?フリーランスが老後に備えるための、他の方法をご紹介していきます。
国民年金基金とは、厚生年金のように国民年金への上乗せが出来る公的な年金制度です。加入条件は第1号被保険者(国民年金にのみ加入している人)であること、国民年金の支払を滞納していないことが条件となります。
特徴としては加入期間と総支払額によって給付金額が変動すること。そのため早期に準備をしたほうが将来への備えとしてはより良いものになるでしょう。
その他のメリットとしては掛け金が全額所得控除となります。節税対策にもつながるため、フリーランスで生計を立てる上では一石二鳥とも言えます。
逆にデメリットも存在します。任意の時期に解約が出来ないため、経済的に苦しい時期は少なからず負担となる場合があります。仮に途中で解約したとしても、積み立てたお金は老後などの指定の時期にしか受け取ることができません。
付加年金は国民年金の保険料に月額400円上乗せすることで受給額を増やす制度です。「付加保険料納付月数×200円」が年額として給付されるため、給付額がわかりやすいことも特徴です。
仮に30歳からフリーランスとして活動開始、60歳までの30年間付加年金へ加入した場合は360ヶ月×200円=7万2千円が年間の受給額となります。
こちらも国民年金基金同様、納付した金額が所得税から控除される対象となります。ただし年間4800円とそれほど高額ではないので、節税としての意味合いは国民年金基金より低くなります。
受給額としてはそれほど大きくはありませんが、その分負担も軽いため気軽に始められる制度になっています。
国民年金基金・付加年金とは違い、一定の掛け金を自己責任で運用するのが確定拠出年金です。受給期間・受給方法にも特徴があります。国民年金が終身受給に対して確定拠出年金は受け取る期間を選択することが可能であり、受給方法も一時金受取か年金形式か選択することが出来ます。
税制面ではここまでに記載した国民年金基金・付加年金と同様に、積み立てた掛け金が全額所得控除の対象となるため節税対策として有効になります。
また、確定拠出年金は受給時にも税制で優遇されています。一時金で受け取る場合「退職所得控除」、年金形式で受け取る場合「公的年金等掛金控除」を受けることができるので老後の節税対策にもなります。
気をつけなければいけないのは、投資であるため状況によって受給額に変動があること。取扱金融機関も様々なため、ある程度の投資の知識が必要となってきます。税制面では優遇されていますが、加入時と月々に手数料が発生します。
加入する金融機関等によって様々ですが、長年継続することを前提とするとその積み重ねは無視できないものになります。
年金と老後資金対策について、理解は深まりましたでしょうか。ただ闇雲に準備を行うのではなく、それぞれの手段のメリット・デメリットを把握し、今後の活動スタイルや収支に合わせて最適な方法を選択できるようにしていきましょう。
この他にも貯蓄をする、共済を利用するといった手段はありますが、自分や家族の万が一の場合に備ることはとても大切です。ぜひしっかりと準備をし、少しでも不安のない生活をおくれるようにしましょう。