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退社の前に知っておきたいフリーランスエンジニアの現実

  2018年5月23日 Posted by 編集部


年収アップや対人ストレスの軽減のために「フリーランスとして独立したい」と考えている人は多いのではないでしょうか?確かにフリーランスならではのメリットも多くありますが、デメリットだってもちろんあります。会社員を辞めて「こんなはずじゃなかったのに…」と後悔する前に、フリーランスエンジニアの現実をチェックしておきましょう。現在進行形で会社員時代とフリーランスのギャップに苦しんでいる人も、どんな点がフリーと会社員の違いなのか、よく確認しておいてくださいね。

アピールの要!ポートフォリオで損するべからず

「ポートフォリオ」と言うのは、「作品集」という意味を持つ言葉です。フリーランスのエンジニアとして仕事をしていくなら、あなたがこれまでに活躍してきた仕事の成績をポートフォリオとしてまとめておくことが不可欠。

フリーランスとして独立した人は、自分の力を証明してくれる存在があまり多くありません。あなたの評価を企業が保証してくれることがなくなるため、自分で自らの実力やアピールポイントをクライアントに示さないと、満足に仕事を請けられないのが現実。

充実したポートフォリオを作っておけば、クライアントがあなたを信用して仕事を任せてくれるチャンスが増えます。過去の実績が魅力的にポートフォリオとしてまとめられているのを見れば、「この人になら仕事を任せられる」とクライアントがあなたを評価してくれるのです。

また、ポートフォリオの出来栄えがあなたのスキルを保証してくれる存在にもなります。ポートフォリオを作るときは、客観的な視点から見やすさを重視しましょう。中身はもちろん大切ですが、見やすいものを作れる人はそれだけで価値があります。物事を見やすくまとめられるスキルや、見やすいページをデザインするスキル…あらゆる能力が発揮されたポートフォリオは、あなたの分身としてあなたの存在をアピールしてくれます。

できればWEBポートフォリオの他に、紙媒体のポートフォリオも用意しておきましょう。紙のポートフォリオなら人と会うときに名刺と一緒に渡すことができますし、いろんな人に向けた+αの気遣いができる人だと思って貰えますよ。

過程よりも結果が未来を左右する

何度も失敗を繰り返しながら頑張る…そんな姿勢は、会社員時代なら「努力家」と言って評価されることもあったでしょう。ところがフリーランスとして独立してしまえば、どんな努力の過程よりも「成功を収めた」という結果が重視されます。いくら努力の途中だからと言っても、成功しなければクライアントからの信頼を得ることはできず、何も実を結ばなくなってしまうのです。ですから失敗の想定されるようなことは、あらかじめ仕事とは無関係の場所でトライアンドエラーを繰り返すことも大切ですね。

結果重視のフリーランスにとっては、実績こそがクライアント獲得のカギになる存在。例えば資格を持っているけれど実績の少ない人の場合、資格はないけれど実績の多い人より強く明確なアピールが必要。より多くの仕事をこなしていて信頼できる実績を持っている人の方が、クライアントからは魅力的に見えるので、実績が十分でないのであれば得意なことや何を目指しているかを明確にアピールすることも必要です。

フリーランスとして独立を考えているのなら、まずはとにかく実績を積むことが大切。場合によっては「やったことがない仕事の実績を積むため」という理由で、高単価の案件よりも新たな案件を優先することも。目先の収入よりも未来を見据えた選択ができる人こそ、フリーランスとして長く活躍していけるのです。

事故も風邪も言い訳にはならない

フリーランスになると、自分のことについては全て自分で責任を負わなければならなくなります。企業のようにあなたの状況や環境を理解してくれる人はいないので、どんな事態が起きても自己責任。言い訳は一切できません。

よくありがちなのが、風邪や事故で仕事に支障をきたしてしまうケース。あなたにとっては不幸な出来事だとしても、クライアントからすれば「頼んだ仕事を遂行してもらえなかった」という事実しか存在しません。どんな事情があったとしても、仕事の不履行はクライアントからの評価を下げる要因になってしまいます。

風邪は体調管理ができていない人と見られますし、事故は日常的に注意が散漫な人と見られることもあるでしょう。良くも悪くも、仕事の結果で判断されるのがフリーランス。不慮の事故を完全に防ぐことはできませんが、自己管理を徹底することは必要な能力のひとつと言えます。

自己管理能力に加えて時間管理能力もフリーランスに必須のスキル。「忙しさ」だって何の言い訳にもならないので、自分の手に負える範囲を把握し、物事の優先度を見極めて仕事を進めていく能力が欠かせません。

これからフリーランスとして活躍することを目指している人は、自分で出した結果には全て自分で責任を負い、何の言い訳もできなくなるという覚悟を決めておきましょう。

フリーランスエンジニアに向いている人って?

フリーランスのエンジニアとして活動していくのには、もちろん向き不向きがあります。向いているのは、

  • 結果を重視し、結果を残せるように最善を尽くせる人
  • 客観的に俯瞰で物事を見て判断できる人
  • 向上心を持ち続けられる人
  • 責任感と危機感を持っている人
  • 自分から提案or発言できる人

です。中でも俯瞰して物事を判断できる人は重宝される存在。例えば同じWebページの制作だとしても、そのページのペルソナになるのはどんな人物なのか、サイト全体の雰囲気はどんな風なのか…こうした全体的な視点から仕事に取り組める人は、成果物のクオリティが断然違うのです。

また、ITエンジニアに求められる需要はとても移り変わりが早いです。ですから常に新たなことを学ぼうとする向上心と、現状に満足しない危機感も必要。顧客の満足度や成果物のクオリティのために、自ら提案できる人物像だと尚良しですね。

フリーランスになりたい人、フリーランスになったけれど上手くいっていない人は、自分がフリーランスエンジニアとして何か足りないものはないかチェックしてみましょう。

まとめ

フリーランスになると、会社員特有のしがらみや対人関係のストレスから解放されることは確かです。ですが、独立することで誰かを頼るような機会はほとんどなくなってしまいます。自分の行動には自分で責任を負うことが必須となるので、集団に属して誰かと何かを成し遂げることが好きな人には多少厳しい道になるかもしれません。フリーでエンジニアの仕事をしたいと考えている人は、自分がフリーランスになったときにしっかりやっていけるか、一度具体的に想像してから動きましょう。


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